「アナログミキサー」と「デジタルミキサー」は何が違うのか?



PAで使用するミキサーには、大きく分けて2種類のモデルがあります。

それが「アナログミキサー」と「デジタルミキサー」です。

この2種類のミキサーの違いは、マイクから送られてきた「音」をどのようなデータで扱うか?の違いです。

「アナログ」と「デジタル」の違い

そもそも、アナログとデジタルの定義とは何なのでしょうか?

Wkipediaによると、「アナログ」は以下のように説明しています。

連続した量(例えば時間)を他の連続した量(例えば角度)で表示すること
デジタルが連続量をとびとびな値(離散的な数値)として表現(標本化・量子化)することと対比される。
時計や温度計などがその例である。
エレクトロニクスの場合、情報を電圧・電流などの物理量で表すのがアナログ、数字で表すのがデジタルである。
元の英語 analogy は、類似・相似を意味し、その元のギリシア語 αναλογία は「比例」を意味する。

逆に「デジタル」は以下のように説明しています。

離散量(とびとびの値しかない量)のこと。連続量を表すアナログと反対の概念である。
工業的には、状態を示す量を量子化・離散化して処理(取得、蓄積、加工、伝送など)を行う方式のことである。
計数(けいすう)という訳語もある。
古い学術文献や通商産業省の文書などで使われている。
digitalの語源はラテン語の「指 (digitus)」であり、数を指で数えるところから離散的な数を意味するようになった。

どうやら

  • アナログ=連続データ
  • デジタル=飛び飛びのデータ

こう言われると、デジタルというのは飛び飛びのデータということになるので、何となくダメなイメージをもたれるかもしれません。
でも安心してください。

飛び飛びと言っても人間の耳では分からないレベルの飛び飛び具合なのです。

どれくらい精度の高い飛び飛びデータ(?)かというと、一般的なCDの音質であれば「1秒間に44,100回」データを取っています。

これがハイレゾという超高音質オーディオの規格になると「1秒間に96,000回」データを取ります。

これくらいデータを取っていれば、もはや連続データと言っても良いですよね?

これがアナログとデジタルの簡単な違いの説明です。

アナログ信号処理とデジタル信号処理の違い

アナログミキサーといのは、マイクから入力されたアナログ信号(電気信号)を受けて、ミキサー内で「アナログ信号処理」をします。

一方、デジタルミキサーいうのは、マイクから入力されたアナログ信号をデジタル信号に変換して「デジタル信号処理」をします。

なぜわざわざデジタルに変換するのでしょうか?

その答えは、「扱いやすいから」というのに尽きます。

デジタル信号に変換することで、その信号はデジタル信号処理ができるようになるのですが、そのメリットはソフトウェアー上で信号処理ができるようになるということです。

ソフトウェアーというのは実体のないもので、コンピューターの中に「プログラム」として保存されているだけなので、物理的な幅を取りません。

一方、同じ機能をアナログ信号処理でやろうとすると、たくさんの物理的な電気回路が必要になってきます。

このような理由があるので、同等サイズのミキサーであれば、デジタルミキサーの方が圧倒的に高機能になるんですね。

デジタル化することでノイズの影響を受けにくくなる

PAでは、ステージからPAブース(ミキサーが置かれている場所)まで長い距離をケーブルで繋がなければならない場合も多いです。

大規模なフェスなどの場合は、ステージからPAブースまでが100m以上のケーブルでつないだりする場合もあります。

その際に、アナログ信号で伝送すると信号の劣化や伝送途中にあるノイズ源からのノイズの影響を受けやすくなるんですね。

それは、アナログ信号が連続的、言ってしまえばとても繊細なものだからです。

例えて言ってしまえば、アナログ信号の場合は、「1,25」と「1.35」の違いを判断して信号を処理しなければならないのに対して、デジタルの場合は「1」か「0」かが判断できれば良いんです。例えばノイズや劣化影響を受けて「1」である信号が「0.9」になったところで、受け側の機器は「1」と判断してくれるんですが、アナログではそうはいきませんよね・・・

これがデジタル化することでノイズが受けにくくなる理由です。

アナログミキサーとデジタルミキサーの機能の違い

アナログミキサーとデジタルミキサーの違い、それは「機能」であると僕は考えています。

それでは、これをわかりやすくするために、同じ入力チャンネル数を持つ以下の2つのミキサーの機能を箇条書きにしてみました。

YAMAHA MGP32 (アナログミキサー)

  • 4Aux out
  • 4バンドイコライザー
  • 1つのノブで操作可能なコンプレッサー「1-knob comp」を搭載
  • エフェクト2系統使用可能
  • iPhone/iPodを使用した直感的な設定を可能にする「MGP Editor」
  • STEREO OUTに標準でグラフィックEQ を搭載。
  • USBデバイスレコーダー
  • iPhone/iPodのデジタル接続に対応する専用入力端子を装備。

BEHRINGER X32 (デジタルミキサー)

  • 16Aux out
  • 8DCA (グループアウト)
  • 6バンドイコライザー
  • エフェクト8系統
  • モーターフェーダー
  • トークバックマイク搭載(外部マイクも使用可能)
  • 各チャンネルにLCD表記ストリップを搭載
  • iPadやPCからの遠隔操作が可能
  • リハーサルデータの登録ができる「シーンメモリー」機能を搭載
  • 32chのオーディオインターフェースとして使用できる

基本的なミキサーとしての機能については、どちらも問題ないと思いますが、より快適なオペレーションを行うための機能がデジタルミキサーには備えられています。

例えば、僕が最も重宝しているのは「シーンメモリー機能」です。

多くのライブイベントは、複数のバンドが入れ替わり立ち代り出演する対バン形式だと思います。

本番前にリハーサルを行うのですが、その時の状態をアナログミキサーの場合は、紙にメモしたりスマホで写真を撮ったりして、それを見ながら本番の時は設定を復元するのですが、デジタルミキサーの場合はデータを本体に保存しておけますので、簡単なボタン操作だけで復元できるんですね。これはデジタルミキサーの大きなメリットです。

また、iPadなどのによる遠隔操作もとても重宝します。

これによって、ステージ上にいながら音の調整ができることになるんですね!便利♪

まとめ

デジタルにすることで、信号処理をするための機器がアナログ回路からデジタル回路になるため、機材の小型化が実現できます。

また、同クラスのアナログミキサーとデジタルミキサーであれば、基本的なミキサーとしての機能は大きな差は有りませんが、更に快適にオペレートするための機能はを求めるのであればデジタルミキサーに軍配があがるのかなと思います。

関連記事一覧

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。