
PA初心者でもプロ並みの音が出せる!?デジタルシグナルプロセッサーとは?
PAを始めたばかりの方は、スピーカーの調整って難しそうと思っている方も多いと思います。
実際にスピーカーのチューニングというのは、まともにやろうと思ったら非常に難しい作業です。
音響機器を適切に操作して音を整えていくようなテクニックと経験が必要です。
これをまともにやろうとしたら、結構な時間がかかってしまいます。
毎日現場でその作業ができるのであれば良いのですが、アマチュアPAなどの方は、そんな頻繁に現場を経験できるわけではありませんよね?
実はそんな方の強い味方になる最強ツールを今回の記事ではご紹介していきたいと思います。
目次
スピーカーマージメントという考え方について
スピーカーのチューニングは、音の調整だけの作業のことを差しますが、近年のデジタル化により使用する機器もデジタル化・高性能化が進んでいます。
それ流れに乗り、今までスピーカーにチューニングに使用していた「グラフィックイコライザー」や「チャンネルディバイダー」もデジタル化されてきています。
これに伴って、スピーカーをチューニングするという考え方から、スピーカーをマネージメントするという考え方に変わってきました。
つまり、スピーカーのチューニングだけにとどまらず、本番中のスピーカーの状況確認や過大入力があった際の保護機能などスピーカーシステムを総合的に行うというのが一般的になりつつあります。
デジタルシグナルプロセッサーって何?
そのスピーカーマネージメントをする機材が「デジタルシグナルプロセッサー」です。
単に「プロセッサー」などと呼ばれたりすることもあるかもしれません。
基本的にはミキシングコンソールとパワーアンプの間に挟むことで、スピーカーに送る音をマネージメントしていくというのが基本になります。
初心者も購入しやすいデジタルシグナルプロセッサーがこちらです↓
こちらは、dbx社のDrive Rack PA2というデジタルシグナルプロセッサーです。
4万円前後で購入できるはずなので、デジタルシグナルプロセッサー初心者にはとても良いモデルですね!
安くても機能は万全ですのでご安心を(笑)
デジタルシグナルプロセッサーで出来ること
あなたが一番気になっていること。
それは「デジタルシグナルプロセッサーではどんなことができるんじゃい!!」ということだと思います。
そんな疑問にDriveRack PA2を例にしながらお答えしていこうと思います。
DriveRack PA2で使える機能は以下の通りです。
- RTAマイクを利用したスピーカー音量バランス調整
- RTAマイクを利用した音質調整(オートイコライジング)
- オートEQ
- フィードバックサプレッサー
- コンプレッサー/リミッター
- イコライザー
- Signal Generator
- iPad/PCによる遠隔操作
初めてデジタルオーディオプロセッサーの話を聞く方は、さっぱり訳がわからないと思いますので、1つずつ解説していきたいと思います。
RTAマイクを利用したスピーカー音量バランス調整
まずはRTAマイクの解説をしないといけないですよね。
RTAはReal Time Analyzer の略です。
リアルタイムで音を分析するという意味ですが、なぜそれにマイクが必要なのか?という疑問もあるかと思います。
通常、マイクは人間の声や楽器の音をミキシングコンソールに入力するために使いますが、RTAマイクは少し使い方が異なります。
RTAマイクは、「分析」という名前がついている通り、音の測定用に使われる少し特殊なマイクです。形はこんな形をしています。
このマイクをデジタルシグナルプロセッサーと組み合わせて使うととても便利なんです。
RTAマイクを使うことで、スピーカーから出る音の音量を把握をすることができます。
スピーカー1台1台に対して、プロセッサーからテスト音声を流し、その音をRTAマイクで測定することでスピーカーから出る音のレベルチェックをします。
もし小さかったりした場合は、「パワーアンプの音量を○○dB上げてくれ!」という指示がディスプレイに表示されるという感じです。
音量が大きすぎる場合は、その逆の指示をしてくれます。
これがRTAマイクを利用したスピーカーの音量バランス調整機能です。
RTAマイクを利用した音質調整(オートイコライジング)
先ほどご紹介したRTAマイクを活用できるのは、スピーカーの音量レベルの調整だけではありません。
音質調整まで自動でしてくれます!
指定の位置にRTAマイクをおいて、自動調整モードをスタートするとテストトーンが流れ、実際にスピーカーから出力された音をRTAマイクで集音し、プロセッサー内でフラットな音質になるように調整します。
これにより、自動でスピーカーの調整が完了します。
僕は初めてこの機能を使った時にとても感動したのを覚えています。
ただし、オートイコライジングは完璧ではありませんの、最終的には自分で最終日調整をかけることは必要になってくると思います。
フィードバックサプレッサー
PAにおいてハウリングほど会場を冷めさせるものはありません。。。
ハウリングが起こると、お客さんはびっくりしてしまいますし、演者のテンションも下がってしまいますよね。。。
そんな悪しきハウリングを撲滅させるための機能がデジタルサウンドプロセッサーには搭載されています。
その機能というのが「フィードバックサプレッサー」です。
フィードバックというのがハウリングのことです。そして、サプレッサーというのが「抑える」という意味を持つ英語です。
つまり、ハウリングを抑えるための機能ということですね。
この機能の使い方は簡単です。
使用するマイクの大まかな調整が完了したら、この機能を使うことができます。
具体的な操作方法としては、マスターフェーダーの音量を徐々に上げていくだけです。
すると、途中でハウリングが起こり始めます。
プロセッサはそのハウリングを検知すると、自動的にそれを除去するイコライジングを行ってきくれます。
そうすることでハウリングが自動除去されるということですね。
コンプレッサー/リミッター
デジタルミキサーなどの場合は、ミキサー内部にコンプレサーが内蔵されていたりしますが、プロセッサー内にもコンプレッサーやリミッターが入っていたりします。
コンプレッサーというのは、設定した音量以上の音が入力された場合にその音を圧縮する機能ですが、リミッターの場合は、設定した音量以上の音が入力された場合は、音を瞬時に遮断します。
基本的な原理は一緒ですが、効き具合が違うといったイメージでしょうか(笑)
プロセッサーで使用するコンプレッサーやリミッターは、基本的にはスピーカーを保護する目的で使用されます。
イコライザー
もちろんイコライザーも内蔵しています。
ミキサーから送られてきた音全体にかけることもできるし、マルチウェイシステム(メインとサブウーファーが分かれているようなシステム)の場合は、それぞれのスピーカーに対してイコライザーをかけることができます。
iPad/PCによる遠隔操作
とても便利なのがこの機能です。
デジタルミキサーなども同様なのですが、iPadやPCによる遠隔操作ができます。
本番中はあまり使用しませんが、スピーカーのチューニングを行う際などは実際の音を客席で聞きながらチューニングできるので非常に便利です。
まとめ
デジタルシグナルプロセッサーは、とても便利な機能がたくさん備わっており、PAをする上ではとても強力な武器になります。
ただし、プロセッサーが自動でやってくれるからと言って、どんな処理がされているかを知らなくて良いというわけではありません。
あくまで自分でもできるけれど、楽するためにプロセッサーにやってもらうというようにしましょう。
結果だけでなく物事の本質を知っておくことはとても重要です。
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