
音の入り口「マイクロフォン」
PAをするするためには、PAシステムを組む必要があります。
そのPAシステムというのは、いくつかの機器を組み合わせて作り上げます。
つまり、PAをするためには、複数の機器を準備しなければならないということになります。
そのPAシステムにおいての音の流れという意味では入り口となるのが「マイクロフォン」です。
マイクロフォンといってもその種類は様々で、実際のPA現場では用途に応じてマイクを使い分けるということをしています。
マイクロフォンは正式名称で、一般的には「マイク」と呼ばれることが多いので、以降は「マイク」に統一さていただきます。
目次
マイクの役割って?
まずは、マイクの役割について解説していきましょう。
こちらの記事のタイトルにもありますが、マイクはPAシステムの中では「音の入り口」とされている機材です。
つまり、マイクによってPAシステムに音を取り込むことができるということですね。
ここまでは、感覚的に理解できると思います。
それでは、もう少し小難しい話をさせていただきます。
技術的な言い方をすると「マイクは物理的な音を電気信号に変換する機材」ということができます。
PAシステムはの中では、音は電気信号として扱われます。
これは、電気信号として音を扱ったほうが都合がいいからなんですね。
ということなので、音を電気信号に変化するマイクというのは、非常に重要な役割を果たしているということが分かると思います。
もし、マイクが適切に音を電気信号に変換できていなかったら、最終的にスピーカーから出てくる音がおかしくなってしまうんですね。
それくらいマイクは重要な機材です。
マイクの種類
マイクは音を電気に変換するための機材ですが、その種類は多種多様です。
ここでは、一般的なマイクの種類の分類について解説していきたいと思います。
マイクの分類は大きく分けて2種類
マイクの種類は大きき分けると2以下の2種類です。
この2つのマイクの違いは、音を拾う方式の違いです。
その方式の違いにより収音できる音に変化が出てきます。
ダイナミックマイクはPAで最も多く使用される種類のマイクです。
特徴を一言で言うならば「力強い音が集音でき、構造的にも頑丈」という感じです。
PAの現場は高温、多湿といったあまり環境がよろしくない場所も多いです。
そんな場所では、頑丈なマイクというのは非常に重宝されます。
その結果、PAにおいてはダイナミックマイクがよく使われてるというのもありますね。
一方、コンデンサーマイクというのは、「繊細な音までしっかり拾えるが、構造的には弱い」という感じです。
コンデンサーマイクは、コンデンサーという繊細な部品を使用することで収音の感度を高めていますが、その構造のお陰で湿気などに弱く、衝撃にも弱いです。
ですので、PAではあまり使われない類のマイクです。
しかし、ドラムのシンバルの収音には、その収音感度と収音範囲の広さからコンデンサーマイクが使われることが多いですね。
PA初心者はまずはダイナミックマイクのみを使用して収音するということをやってみましょう。
そして、何か物足りなさを感じた段階でコンデンサーマイクを使うようにしましょう。
すると、コンデンサーマイクのありがたみに加えて、扱いの難しさなどを感じることができると思います!
PAで使用するマイクの種類はこの2つだけです。
これらのマイクの使い方としては、基本的にはダイナミックマイクを使うのが一般的で、収音する音源に合わせて一部コンデンサーマイクを使っていくというイメージで捉えてもらえると良いかと思いますね。
代表的なマイク
マイクの種類はたくさんあるのですが、PAで良く使用されるマイクというのはある程度傾向がありますので、そのマイクをご紹介していこうと思います。
ボーカルによく使われるマイク
まずはボーカルによく使われるマイクのご紹介です。
もっとも代表的になボーカル用マイクはやはり「SHURE SM58」でしょう。
リハーサルスタジオでバンド練習をしたことがある方やライブハウスでライブをしたことがある方であればこのマイクを見たことがあるのではないでしょうか?
SHURE SM58は日本だけなく、世界中で定番になっているマイクです。
というよりは、SHUREはアメリカのメーカーですので、アメリカの定番が日本を含む世界中に広まったと言った方が良いかもしれませんね(笑)
このマイクは、一般的な楽器店はもちろんのこと、場合によっては家電屋さんで売っている場合もあります。
そして、どうせ同じものであれば安く買いたいですよね。
その時にオススメなのが「サウンドハウス」です。
音響機材については、楽器店などよりもだいぶ安く購入できますので、ぜひご活用ください!
そして、ボーカル用マイクとしてもう一つおすすめするのが「SHURE BETA58A」です。
グリルボール(あみあみの部分)に青色のリングがついているのがこのマイクの特徴です。
SM58との大きな違いは、音を拾う感度です。
実際に使い比べると分かりますが、BETA58の方が楽に声が出せる感覚を感じると思います。
しかし、ボーカル用マイクは感度が高いマイクほど良いマイクか?というとそうでもありません。
BETA58よりもSM58の方がマッチする人もいます。
ロック系でガンガン声を出すようなボーカリストの場合はSM58を使い、ウェスパー系のようなボーカリストの場合は、BETA58を使うという感じで僕の場合は使い分けています。
最終的気には実際に試してみるのが一番ですけどね(笑)
ドラムによく使われるマイク
ドラムというのは、バスドラム、スネア、タム、ハイハット、シンバルなどといったように、多数のパーツを組み合わせることで成り立っている楽器です。
ですので、ドラムの収音をする場合には1本のマイクで収音するというのは非常に難しく、通常は複数のマイクを使って収音する「マルチマイキング」という方式を取ります。
ですので、ここではドラムの各パーツ毎に良く使われるマイクをご紹介していきます。
まずはバスドラムです。
バスドラムはドラムの中でも最も大きなパーツで、最も低い音が出て、音圧も高いという特徴があります。
このような特殊な音には特殊なマイクを使用します。
バスドラム用としておすすめなのが「audio technical ATM25」です。
製品画像はこんな感じです。
見た目はあまりカッコ良くありませんが、音は最高です。
高音圧の音もしっかり割れずにパンチのある低音を収音できます。
締まった低音がとれるのがこのマイクの特徴かもしれないですね。
次にスネアです。
スネア用でおすすめするマイクは「SHURE SM57」です。
こちらも特徴的な形をしていますよね!
このマイクは楽器用のマイクなので、ボーカル用マイクのようなグリルボールと呼ばれる部分をいさぎよく取っ払った仕様になっており、この仕様にすることでドラムのような入り組んだところにマイクを設置する際にも極力邪魔にならないようになっているんですね。
次にタム用のマイクをご紹介します。
おすすめは「AUDIX D-2」です。
このマイクは「タム録り名人」という別名があり、イコライジング無しでもなかなか良い感じにタムの音が収音できます。
コンパクトなので、クリップ式のマウントを使用してタムのフープに取り付けることができます。
これにより、タムのマイキングをするのにマイクスタンドを何本も立てなくてもよくなります。
ドラム周りもスッキリしますね。
そして、フロアタムにおすすめなのがこちら。
「AUDIX D-4」です。
こちらのマイクは先程ご紹介したD-2に対して、低音を収音する性能が優れているマイクと言ってよいでしょう。
こちらもフープに取り付けるタイプのマウントでマイクを設置することができます。
これまではバスドラム、スネア、タムなどのタイコ類用のマイクをご紹介してきました。
これらの楽器はいわゆる「皮物」
そして最後にドラムの中で最も音を拾うのが難しい「金物」であるシンバル(個人的な主観ですが・・・)のマイクについてご紹介します。
シンバルのマイキングに使うおすすめのマイクは「AKG C451」です。
こちらのマイクはコンデンサーマイクですので、使用にあたってはミキサー側からのファンタム電源供給が必要になります。
もしミキサーにファンタム電源の供給機能がない場合には、別途、ファンタム電源を用意するか、コンデンサーマイクを使うのを選ぶかしないといけませんね。。。
シンバルの音を拾うためには、それぞれのシンバルに1本ずつマイクを立てるようなことはしません。
複数枚を1つのマイクで集音する場合がほとんどです。
もっともポピュラーなのは、左右の高い位置に2本のコンデンサーマイクを設置して、この2本のマイクで全てのシンバルの音を収音してしまうという方法です。
ただし、ハイハットはリズムを刻む重要なパーツであることから、専用のマイクを立てることはよくあります。
ミキサーのチャンネルに余裕がある場合は、ライドシンバル専用のマイクを立てることあります。
理由はハイハットと同じですね。
ギターによく使われるマイク
ギター(ギターアンプ)の音を収音するのに使われるマイクは、ドラムのスネアと同様、SM57がポピュラーです。
このマイクは本当に万能で、何にでも使えますからね。
余裕を持った本数を保有しておくと良いですよ!
少し、音のクオリティーを上げるのであれば、「SENNHEISER E906」がおすすめです。
SM57よりは少し高価なマイクですが、その分、音も重厚感ある感じで録れます。
まとめ
今回は、PAシステムにおける音の入り口「マイク」について解説させていただきました。
マイク選びは楽しい作業でもあり、とても重要な作業です。
マイクからミキサーに送られる音がダメだったら、その後、いくら高級な機材を使おうが、音は良くなりません。
それくらい、音の入り口であるマイクは重要なんですね。
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