PAをする上で知っておくべき音の性質



PAではご存知の通り「音」を扱います。

そのため、音に関する知識をしっかりと身につけることは、良い音を出すためにはとても重要なことですよね。

こちらの記事では、PAをする上で知っておくべき音についての性質を解説していきたいと思います!

音の基本的な3つの性質

音というのは、物理的に目に見えるものではありません。

音が自分の方に向かってくるのを目で見たことがある方はいらっしゃらないですよね・・・?

このように音は形のあるものではないので、その分理解しにくいものでもあります。

ちなみに音の正体については、以下の記事で解説していますので、興味のあるかたはぜひご覧ください。

そんな音には、様々な性質があります。

基本的な性質としては、以下の3つがあります。

  • 反射
  • 透過
  • 吸収

音はというのは、音源の振動が空気を振動させ、その振動が広がり人間の耳に届くことで「音」として認識します。

音源から出た音は、基本的には放射状に広がります。

何もないだだっ広い空間であれば、音はそのまま広がってきまします、僕たちが生活する空間においてはそうはいきません。

遅かれ早かれ音は何かにぶつかるわけですね。

その時にどのようなことが起こるのかを知っておくことは、PAという音をコントロールする仕事をする上では非常に重要です。

それでは、1つずつ解説していきましょう。

反射

まずは「反射」です。

以下の図をご覧ください。

黒いのが壁で、青い線が音だと思ってください。

壁にぶつかった音は、壁に跳ね返されるように逆方向に向かっていきます。

これが音の反射です。

透過

次に「透過」です。

音が壁にぶつかった際に壁を突き抜けて壁の向こう側に行ってしまうことを音の透過といいます。

つまり、音が壁をすり抜けるということですね。

吸収

最後に「吸収」です。

音が壁にぶつかった時に音が全て吸収されて、反射も透過もしないということがあります。

これを音の吸収と呼びます。

吸音材というのは、この音の吸収という性質を利用しているんですね。

 

3つの音の基本的な性質をご紹介しましたが、実際にはどれか1つが起こるというわけではなく、この3つの現象が同時に起こると思ってもらって良いかと思います。

つまり、音が何かにぶつかった時には、反射する音もあれば、透過する音、吸収される音があるということですね。

どの現象がどの程度起こるかは、音がぶつかる物質によって変わってきます。

コンクリートの壁であれば反射の現象が多く起こるでしょうし、無響室に使われるような吸音材の場合は吸収の減少が多く起こりますよね。

音を出す空間の反射、透過、吸収がどれくらい起こる場所なのか?というのをしることは、僕たちがPAエンジニアとして音をコントロールする上では非常に重要な要素です。

この3つの性質はしっかり覚えて、より良いPAをするための基礎知識としてください!!

知って得する音の性質

先ほどご紹介した基本的な3つの性質意外にも知っておくと良い音の性質に関する知識があります。

ちなみに、こちらでご紹介する音の性質については、音そのものの性質というよりは、人間の音の聞こえ方の特性と言っても良いかもしれませんね。

それでは代表的な3つの音の性質をご紹介していきたいと思います。

ラウドネス効果

1つ目はラウドネス効果です。

これは、音が小さくなると人間は低音域と高音域の音が小さく聞こえるようになるということです。

この現象を表す図を「等ラウドネス曲線」と呼びます。

この図は縦軸が音圧レベル、つまり音量と思っていただいて問題ありません。

横軸は周波数、つまり音の高さですね。
数字が小さいほど低い音ということになります。

そして、赤い線で描かれているのが等ラウドネス曲線です。

100phon、90phonといったような数字に対して、1つの曲線がありますが、この「phon(ホン)」というのが人間が感じる基準の音量だと思ってください。

例えば、90phonの音量を全ての周波数帯で人間が感じるためには、この曲線に従って各周波数帯の音量レベルを補正してあげなけれならないということを意味します。

そして、20phonとかになると低域の音なんかはかなり音量を上げてあげないと1000Hzあたりの音量と同等の音量には聞こえないということですね。

PAをする時には音量制限がある場合があり、状況によっては「もっと音量を下げてくれ」と言われることもあります。

そして、音量を下げるとこのラウドネス効果に従って、人間が感じる低音域の音量が小さくなります。

これにより「なんか迫力のない音になってしまったな・・・」と感じるわけですね。

このような場合は、低音域をブーストしてあげることで、迫力をある程度取り戻すことができますので、そのような調整を迅速に行うことで、提供する音のクオリティーを保つことができるんですね!

カクテルパーティー効果

「なぜ音とカクテルパーティーが関係あるんだ?」と怒られてしまいそうですので早めに解説していきたいと思います。

ちなみに僕は「カクテルパーティー」というものに行ったことはありません(←どうでもいい)

カクテルパーティーというのは、みんなが様々な会話をしていてガヤガヤとしているらしいのですが、そのガヤガヤとした雰囲気の中であなたの名前が他の人の会話に出てきたら反応してしまいませんか?

このように、自分が意識する(自分に関係があると思っている)音に関しては、優先的に聞くことができる、逆に聞こえてしまうというのが人間の耳の性質であり、これをカクテルパーティー効果と呼びます。

よく地獄耳の人がいますが、あの地獄耳というのはまさにカクテルパーティー効果のことなんですね。

では、これをどのようにPAに活用しろと言うのでしょうか??

例えば、以下のような使い方があります。

バンドのPAをする際にギターソロを目立たせたいのですが、諸事象でギターの音量を上げたくない場合にこのカクテルパーティー効果が使えます。

ギターソロが始まる時に一度大きくボリュームを上げます。

すると、お客さんは大きくなったギターの音を意識するようになります。

そうなれば、その後はギターの音量を下げてしまってもお客さんはギターの音に注目して聞き続けます。

つまり、音量は上がっていないけれどもギターソロを目立たせることに成功したんです。

こんな面白いカクテルパーティー効果の使い方もあるのでぜひご活用くださいね!

ハース効果

そして、最後にご紹介するのがハース効果です。

ハース効果は、2つの音源から出ている同じ音の音量だけを変えてあげることで「音の中心を変えることができる」という性質です。

人間は、2つの同じ音が別々の方向から聞こえてきた場合は、音量が大きい方にその音があると思ってしまいます。

基本的なPAシステムはステレオシステムというステージの両脇にスピーカーを置く方法です。

このステレオシステムにハース効果を活用することができるんですね。

例えば、ステージの上手(ステージに向かって右側)にギタリストがいたとします。

しかし、特に調整をしなければ、左右のスピーカーから出る音というのは同じ音量の音が出ます。

つまり、ギターの音の中心は「ステージの中心」となるのです。

これでは実際の一番関係とずれてしまいますよね・・・

そこで、ミキシングコンソールの「PAN」というツマミを少し右に回してみましょう。

すると、音の中心が少し右にずれるはずです。

これは、左右のスピーカーから出しているギターの音量を変えたことによるもの、つまりハース効果によるものです

これがPAにおけるハース効果の活用方法です。

まとめ

何度も言いますが、PAは音をコントロールする仕事です。

つまり、良い音を出すためには音を熟知する必要があります。

今回ご紹介したような音の性質をしっかりと覚えて、より良いオペレーションができるように一緒に頑張っていきましょう!

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