リハーサルと本番で音が変わる!?その理由を解説します!



バンドのライブイベントなどでは、大抵の場合は「リハーサル」の時間が確保されています。

PAエンジニアはそのリハーサルの中で音の調整を行うのですが、リハーサルではバッチリだったのですが、いざ本番が始まると「あれ?」という状況になってしまうことはよくあります。

そんな不思議現象がなぜ起こるのか?
そんな疑問をこちらの記事では解説していきたいと思います。

PAエンジニアがリハーサルで行うこと

リハーサルと本番で音が変わるというテーマでお話ししていくのですが、そもそもPAエンジニアがリハーサルでどんなことをしているのかを解説しておきます。

PAエンジニアがリハーサルで行うことは以下のようなことです。

  • 各インプットチャンネルの音量の調整
  • 各インプットチャンネルのEQ(イコライザー)の調整
  • 各インプットチャンネルのコンプレッサー、ゲートの調整
  • リバーブなどのエフェクトのかかり具合の調整
  • メインスピーカーから出す音のバランス調整
  • 演者用のモニタースピーカーから出す音のバランス調整

こちらの記事では詳しくは解説しませんが、これだけたくさんの作業をリハーサルの中で行なっているということを知っていただければOKです。
ちなみに、これらの作業の詳細を知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

こんなにたくさんの作業を一生懸命したにも関わらず、本番では音が変わってしまうというのは悲しいですよね(笑)
では、この記事の本題であるリハーサルと本番で音が変わってしまう理由を解説していきます。

リハーサルと本番で音が変わる理由

音というものは繊細なもので、少しの環境変化によって変わってしまいます。
引っ越しをしたことがあるかであればわかると思いますが、物件の下見に行った時というのは、部屋の中で喋ると声が響く感じがしませんでしたか?
しかし、実際に生活し始めると声が響く感じは全くしません。
物件の下見に行った時と実際に生活し始めた時の差、それは「家具や家電、生活雑貨などがあるかどうか」ですよね?
つまり、同じ空間でも何か物を置いた瞬間に部屋に響く音の特性というのは大きく変わってしまいます。
これと同じ現象がライブ会場でも起こっています。
リハーサルと本番の違い。それは、お客さんがいるかどうか?です。
お客さんが入ることで、会場の音の特性というものはかなり変わってしまいます。

それでは、お客さんが入ることで具体的にはどんな変化が起こるのでしょうか?
大きく分けると以下の2つの現象が起こります。

  • 音の反射が変わる
  • 特定の周波数帯の音が吸収される

それでは1つずつ解説していきます。

リハーサルと本番で音が変わる理由「音の反射が変わる」

音には、以下の3つの性質があります。

反射 → 壁などの障害物にあたると音が跳ね返るという性質
吸収 → 障害物にあたると音の一部が吸収されてしまうという性質
透過 → 音が障害物にあたった時に障害物を通り抜けてしまうという性質

簡単に言ってしまうと、お客さんが入るとこれらの現象が起こるため音に変化が発生してしまうということですね。
その中でも「反射」というのは、一番わかりやすく変化を確認することができます。
先ほどの物件の下見の話でいくと、下見の時は音が響く感じがしたのですが、実際に住み始めると響く感じはしないということだったので、家具などを置いた瞬間に、今まであった音の反射がなくなってしまったため、響くという感じがしなくなってしまったんですね。
ちなみに、響くと人間が感じるのは、遅れて人間の耳に届いた反射音が原因です。
響くと感じる音は「実際の音源(話す声の場合は口)からでる音」と「壁などで反射した音」が合わさって作られます。
つまり、反射音がなくなる、または小さくなってしまえば「響く」と感じる感覚も小さくなる、そして、それを音の変化として認識するのですね。

リハーサルと本番で音が変わる理由「特定の周波数帯の音が吸収される」

ライブイベントなどでお客さんが入ると、お客さん自身が吸音材としての役割を果たすことになってしまいます。
以下のような市販されている吸音材であれば、吸音特性というのがコントロールされていますが、お客さんが吸音材になってしまうということを考えるとその吸音特性は千差万別ですよね。

なぜなら、1人として全く同じ身長、体重、服装の人はいないからです。
ライブイベントなどに来る人は日によって変わりますので、全く同じ会場で全く同じ機材を使用していても、入るお客さんが違うだけで音は変わってしまうということですね。

それでは、この「お客さんによる吸音特性の変化」に対しては、どんな対策をする必要があるのでしょうか?
絶対的な対策はありませんが、僕がやっている対策は以下の通りです。

  • 経験上、低音域の音が吸音されることが多いので、リハーサルでは、少し低音域の音を上げ目で設定します。
  • 本番が始まった瞬間にできる限り早く吸音されている周波数帯の音を見つけ補正し、全体の音量バランスを整える。

という感じでやっています。
つまり、リハーサルだけでは絶対的な対策はできず、本番の演奏開始1曲目の早い段階での補正でなんとかするというのが今のところの対策かなと思っています。
他に良いアイデアがあれば教えてください・・・(笑)

まとめ

リハーサルと本番で音が変わってしまうは、リハーサル時にはいなかった「お客さん」が原因だということを解説させていいただきました。

そして、その変化の埋め合わせをするのが僕らPAエンジニアです。

お客さんが吸音する特性については、経験を積んで傾向を観察して自分なりの対策を作り上げていくことが重要かもしれませんね。

 

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