
ライブを盛り上げる!PAシステムってどんなもの?
僕はバンドをやっていて、その延長で初めたPA(音響)がエスカレートしてしまい、今ではそこそこの知識がついてしまったという状況です。
らいふぉ部では、そんな音響についても触れていこうかと考えています♪
まずは、今回が第1弾という事で「PA」をするためには何が必要なのかを考えていきたいと思います。
目次
PAってそもそも何?
そもそも、「PA」という言葉を当たり前のように使っておりますが、この言葉はバンドなどをやっていたり、ライブによく行っていたりする方以外はよく分からない言葉だと思います。
この機会にそんな疑問を解決しておきたいと思います!
「PA」をいうのは、Public Adressの略で、「公衆への伝達」的な意味合いの言葉です。
直訳すると少しわかりにくいですが、つまりは、「音をお客さんに届ける」という意味であると思っていただければ全く問題ありません。
ライブで音を調整(PA)する人を「PAさん」なんて呼んだりするので、知らなかった方は頭の片隅に置いていてください。
役に立つ時が来るかも?(笑)
PAをするにはPA機器が必要なんです!
PAをするためには、音響機器が必要なんだろうな・・・ということくらいは多くの方がわかると思います。
それでは、どんな音響機器が必要になってくるのかをご説明させていただきます。
音の入り口「マイク」
まずは、実際の音がPAシステム(複数の音響機器を組み合わせたもの)に入るところから解説していきます。
例えば、ボーカルの声をPAする場合を考えてみます。
ボーカルの声を音響PAシステムを通してお客さんに届ける場合には、まずは、ボーカルの声をPA機器で扱える形、つまり電気信号に変換してあげる必要があります。
この変換作業をするのが「マイク」です。
マイクは正式名称でいうと「マイクロフォン」といいますが、一般的には「マイク」で十分意味は通じるはずです。
ボーカル用マイクの定番モデルとしては「SHURE SM58」というマイクがあります。
こちらですね↓
こちらのマイクは、どのライブハウスにも必ずと言って良いほど置いてあるモデルです。
もし、マイクを購入する機会があり、「どのマイクを買っていいか分からない・・・」という時にはぜひこいつをご購入ください!
このマイクはPAの現場では「ゴッパー」や「ゴッパチ」などといったニックネームがつけられるくらい愛されています。
性能はもちろんのこと、驚異の耐久性を備えたマイクですね。
PA機器の血管「ケーブル」
マイクで「音→電気信号」という変換作業が行われた後は、次の工程に電気信号が送られます。
その時に使うのが「ケーブル」です。
PAで使うケーブルは大きく分けて2種類あります。1つ目は「マイクケーブル」です。
その名の通りマイクと他の機器をつなぐ際に使われます。
PAで使われるケーブルの種類は「マイクケーブル」「スピーカーケーブル」の2種類です。
(実際には他にもありますが、主要なケーブルとしてはこちらの2種類です)
この2つのケーブルの違いは、送ることができる電流の量です。簡単にいうと、電線の太さが異なるんですね。
ちなみに、マイクケーブルの方が扱う電流が小さいのでスピーカーケーブルよりもケーブルは細いんですね。

マイクケーブル

スピーカーケーブル
音の司令塔「ミキシングコンソール」
マイクから送られた電気信号は、ミキシングコンソール(以下ミキサー)という機器に送られます。
ミキサーというのはこんな感じの機器です。
通常、ミキサーには複数のマイクから電気信号に変換された音が入力されます。それらの音に対してミキサーを使って次のような処理をします。
- 音量調整
- 音質調整
- エフェクト
音量調整というのは分かりますよね?書くマイクの音量のバランスを調整することです。
音質調整というのは、イコライザーというミキサーに備えられた機能を使って、低音部分だけ音量を上げたり、高温部分だけ音量を下げたりといったような調整をします。
この作業は「イコライジング」とも呼ばれています。PAをする人の腕前の差が出る作業でもありますね。
エフェクトというのは、ミキサーに搭載されている(機種によっては、外付けで取り付ける場合もあり)「リバーブ」や「ディレイ」といった残響を再現するような機能を使って、入力されたマイクの音に残響効果(エコーと言った方が分かりやすでしょうか・・・)を付け加える作業です。
これらの機能を使って、音量バランスのとれた聴きやすく臨場感のある音を作るんですね。
上に載せたミキサーは「アナログミキサー」という種類のミキサーです。
ということは・・・デジタルミキサーもあるの?という疑問が出るかと思います。
もちろんあります!

MIDAS PRO2
ディスプレイが付いていてカッコいいですよね!
僕は将来、ライブハウスをやるのが夢ですので、その際にはこのようなデジタルミキサーを導入したいと考えています!
アナログミキサーとデジタルミキサーの違いをもっと詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください!

音を大きくする機器「パワーアンプ」とお客様に届ける音を出す機器「スピーカー」
ミキサーで調整された音を最終的にはお客さんに届けたいのですが、ミキサーから出力された電気信号は微弱なものです。
最終的に音を出す機器はご存知の通り「スピーカー」ですが、そのスピーカーからしっかりとした音を出すためには、ミキサーから出た微弱な電気信号ではダメなんですね。
その電気信号を大きくしてあげる必要があるんです。
その役割を果たすのが「パワーアンプ」です。
こんな形をした機材です。
ちなみに、裏側はこんな感じです。
この機材の中で電気信号を大きくする(増幅)させるんです。
そして、パワーアンプで大きくされた電気信号はスピーカーに送られます。
PAで使われるスピーカーというのは、一般家庭で使われるスピーカーよりもかなり大きなものを使います。
代表的なPA用スピーカーはElectroVoice社のSX300というスピーカーです。
このスピーカーは、各地で行われているイベントで頻繁に使われるモデルです。
結婚式場のスピーカーなどでもよく使われるのを見ますね♪
実は、PAスピーカーにも種類があるんです。
SX300のようなスピーカーを「ポイントソーススピーカー」といいます。
一方、「ラインアレイスピーカー」というスピーカーもあります。
横長のスピーカーをいくつか縦に連結した形のスピーカーをライブ会場などで見たことがあるのではないでしょうか?
ちなみに、上に載せた写真はd&b audiotechnikというドイツの会社のラインアレイスピーカーで非常に良い音がします。
ただし、その代わりに価格も素人には手が出せないレベルとなっております(笑)
PAシステムの良し悪しは掛け算
PAに必要な機器をご紹介せていただきましたが、これらの機器は単体ではなんの役にも立ちません(笑)
全ての機器がうまく担当範囲の仕事をこなすことで、最終的に素晴らしい音を出すことができるんですね。
これらのPA機器で構成された音を出すための仕組みを「PAシステム」と呼びます。
良いPAシステムを組むときに注意したいのが「バランス」です。
PA機器というのは、安価でそこそこの品質のものから、高価でものすごく品質の良い機器まで様々あります。
これらの機器を組み合わせてPAシステムを構築するのですが、例えば、
「超品質ミキサー」+「超低品質スピーカー」
というPAシステムを組もうとした時には良い音が出ると思いますか?
実はこれでは良い音は出ません。
いくらミキシングコンソールから良い音(電気信号)を送ったところで、お客さんに実際に届く音を出すスピーカーが低品質であったらPAシステムとしての音は良くならないんですね。
「超品質ミキサー」×「超低品質スピーカー」
というのがPAシステムの性能を表すには良い表現かもしれませんね。
スピーカーが壊れている状態、つまり「0」であれば、PAシステムとしての評価は掛け算なので「0」となってしまうんですね。
PA機器を選ぶ際には、全体的なバランスが非常に重要です。
全てのPA機器に「超高品質」なものを選べればそれにこしたことはありませんが、実際にそれをできる人がどれだけいるか・・・
ということを考えると「予算に合わせてバランスの良いPA機器を選ぶ」というのがベストな方法なんですね。
最終的には人のオペレーションが最も重要
「バカとハサミは使いよう」という言葉がありますが、PAシステムにも同じことが言えます。
ハサミという道具は、使い方によってキレイに切ることができたり、キレイに切れなかったりします。
PAシステムも同様で、全く同じ機器を使っても、その調整方法やミキサーの操作方法などによってお客様に届く音というのは天と地ほどの差になって出てきます。
音楽フェスなどでは、様々なアーティストが入れ替わり立ち代り出演しますが、大抵の場合はアーティストごとに専属のオペレーターが付きます。
つまり、全く同じPAシステムを別の人が操作するという状態ができるんですね。
この様子を見ていると、面白いほどオペレーターによって音が違うんですね。
もちろん、アーティスト側で出す音の違いやそのアーティストが目指したい音があるので、違いが出て当然だとは思いますが、それを
考慮してもオペレーターによって差があるなというのが僕の印象です。
プロでもこのような感じですから、素人であればもっと差が出てくるんですね。
地方の祭りなどに行くと、まれにひどいオペレーターがいたりしますからね(笑)
それくらい、PA機器を操作する人の影響は大きいということですね。
まとめ
PAシステムというのは、たくさんの機器の集合体であることはご理解いただけたと思います。
また、PAシステムの良し悪しは、PAシステムを構成する機器同士の「掛け算」であるということでした。
そして、それに加えて「人」の要因もPAシステムの良し悪しを語る上では外せないものだということがご理解いただけたと思います。
こんな観点でライブハウスなどにあるPAシステムというものを見てみると、今までとは違った発見があって面白いかもしれませんね!!
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