
DI(ダイレクボックス)の使い方をやさしく解説
こんにちは。
らいふぉ部管理人のAkkyです。
「PA初心者にとっては謎の箱。「DI」が必要な理由」の記事では、PAをする上でDIというものがなぜ必要なのかを解説させていただきました。
もし、読んでいただけていない場合はご一読いただければと嬉しいです。
今回の記事では、DIという機材の使い方を代表的なDIであるBOSS DI-1を例にご説明していきたいと思います。
目次
DIの接続方法
まずはDIという機材をどのように接続すれば良いのかを解説していきます。
基本的な接続方法は以下の通りです。
キーボードを例に接続方法を図で描かせていいただきました。
キーボードの出力端子から、フォンケーブルでDIのINPUTのところに接続します。
この際には、キーボードとDIの距離を極力短くすることが重要です。
これは、ノイズの影響を受けにくくするためです。
そして、DIの平面にあるBALANCE OUTというアウトプット端子からXLRケーブル(キャノンケーブル)を使用してミキサーと接続します。
接続方法はとてもシンプルですよね。
ちなみに、ベースの音を集音する際にもDIは使われますが、その際には、以下のような形でDIを接続します。
ベースとDIを接続してミキサーに送ってしまうと、ベースアンプからの音が出せなくなってしまいます。
そこで、DIのPARA OUTという端子を使用します。
ここから、フォンケーブルでベースアンプと接続することでベースからの信号をベースアンプとミキサーに同時に送ることができます。
以上がDIの基本的な接続方法です。
それでは、実際に音を出す際の設定について解説していきます。
音を出す前に確認するDIの設定について
DIをしようする際には、いくつか注意すべき設定がありますので1つづつ解説していきます。
アクティブタイプのDIには電源が必要
PAの現場で使われているDIには「アクティブタイプ」と「パッシブタイプ」があります。
これらの違いは以下の記事で解説していますので、ぜひご覧ください。

ちなみに、PAの現場では、安定性が高いアクティブDIが使われるケースが多いです。
BOSS DI-1もアクティブタイプのDIです。
そんなアクティブタイプのDIは電源がないと動かないという仕様になっています。
電源の供給方法としては以下の2パターンです。
- 9V電池で供給
- ミキサーのファンタム電源(+48V)で供給
ただし、9V電池を入れる方法は少し面倒なのと、電池切れのリスクがあるので、特にこだわりがないのであればミキサーのファンタム電源を使用する方が便利で運用が楽になると思います。
ミキサーからファンタム電源を供給する際には、ミキサーに装備されているファンタム電源のボタンを押してあげる必要があります。
ちなみに、このボタンを押す瞬間におそらく「バチッ」というノイズが出る可能性がありますので、ファンタム電源ボタンの操作をする際にはスピーカーに送っている音をミュートしてあげる必要があります。
心配な方は、パワーアンプの電源を入れる前にファンタム電源のボタンを押してもらえれば絶対にノイズはスピーカーから出ることはありませんので、そのようにしていただければと思います。
アッテネーターの設定が0dBになっていることを確認
ほとんどのDIにはアッテネーター(ATT)という入力された音が大きすぎる際に強制的にレベルを下げる機能が付いています。
DI-1の場合は、3段階(0dB/-20dB/-40dB)のレベルで調整ができます。
通常は0dBで使用します。
もし入力する楽器のレベルが大きすぎてミキサー側でクリップしてしまう(音が割れてしまう)などといった場合は、その状況に合わせて-20dBに設定したりします。
注意しなければならないのが、DIを複数のバンドで使いまわす場合の運用です。
バンドごとにアッテネーターの設定を変えることは問題ないのですが、その設定をし忘れたり、戻し忘れたりすると入力のレベルが変わってしまい、音のレベルがぐちゃぐちゃになってしまいます。
リハーサルで-20dBで設定したのに、本番でアッテネーターが0dBになってしまっていたら、おそらく想像以上の音量の音がスピーカーから出てしまうこともあります。
ですので、できれば楽器側で音量を絞れるなどの対策ができる場合は対応していただき、アッテネーターの設定は0dB固定でいけるようにした方が良いですね。
マイクとラインの音をミックする際には位相反転スイッチを確認
ベースの集音は、基本的にはDIのラインの音だけで済ませてしまう場合が多いですが、場合によっては、DIの音とベースアンプから出る音をマイクで拾ってミックスする場合があります。
同じベースの音をDIとマイクで収音する場合には、1つ注意が必要です。
それが位相の問題です。
製品によっては、その製品を通す中で位相が反転されてしまうものがあります。
位相の問題で一番厄介なのが正相と逆相の音が混ざってスカスカの音になってしまうことです。
ベースの音をDIとマイクで2系統収音してミックスする場合は、このような事態になる可能性があります。
そのような時には、まず、DI側の位相反転スイッチ(以下の画像の右上)をINV(位相反転ON)にしてみましょう。
そこで音が良くなればOKですし、もし音が悪化したらスイッチを戻し、他の原因を探りましょう。
位相が干渉している音は、ミキサー側でいくら頑張ってもどうにもならない場合が多いです。
そのような時に対処法を知っていて、しっかり問題を解決できるPAエンジニアはかっこいいですよね。
まとめ
DIはPA初心者にはとっつきにくい機材ではあると思いますが、バンドのPAなどをするには欠かせない機材です。
使い方も覚えてしまえばそんなに難しいものではありません。
しっかり使い方を覚えていただき、お客様に良い音を提供できるようにしたいですね!
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